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ラベイユが横浜に新店、蜂蜜専門店の出店戦略を読む

ラベイユが横浜に新店、蜂蜜専門店の出店戦略を読むのイメージ

ニュースの概要

蜂蜜専門店「ラベイユ」を運営するL'ABEILLE株式会社が、横浜ランドマークタワーに新店を11月19日(木)に開くと、PR TIMESで発表した。ラベイユは世界各地の蜂蜜をそろえる専門店として、商業施設を中心に店を構えてきたブランドである。出店先の横浜ランドマークタワーは、オフィスワーカーと観光客が同じ館内を歩く大型の複合施設だ。時期も、年末の贈答シーズンの直前にあたる。蜂蜜の周辺では、輸入価格の変動、国産志向、ビル屋上での都市養蜂など、売り場の外でも動きが続いている。本稿では、この出店を一店舗のニュースで終わらせず、蜂蜜市場と養蜂ビジネスの流れの中で読み解く。

引用元: 【ラベイユ】横浜ランドマークタワーに11月19日(木)新店オープン | L'ABEILLE株式会社のプレスリリース(PR TIMES)

分析・見解

複合施設を選ぶ理由は、二つの客層が交わる点にある

ランドマークタワーは、オフィスと商業施設が一体になった建物である。平日は働く人が行き交い、休日は観光客や家族連れが増える。この二つの客層が同じ通路に現れる場所は、実は多くない。蜂蜜は一瓶で2,000円前後から数千円まで幅があり、衝動買いよりも「選んで買う」商品だ。じっくり試食できる専門店と、滞在時間が長い複合施設は相性が良い。

狙いは売上の上積みだけではないと読める。ブランドと出会う接点を増やし、贈答の指名買いにつなげる布石である。

蜂蜜は定番品から、産地で選ぶ食材へ移りつつある

かつて蜂蜜は、アカシアとレンゲがあれば足りる定番品だった。今は花の種類、産地、採蜜の時期まで表示し、ワインのように味を比べる売り方が広がっている。日本で流通する蜂蜜の大半は輸入品で、国内自給率は1割に届かないとされる。世界的には、気候の変動による蜜源の不作や、輸入価格の上昇も続く。

こうなると、価格だけで勝負する商品は苦しくなる。高くても買いたいと思わせる説明力が、店頭の競争力を決める。専門店の強みは、まさにこの説明にある。味の違いを口で伝え、舌で確かめてもらえる場だからだ。

売り場の都市化は、都市養蜂の出口にもなり得る

ここで注目したいのは、売る場所の都市化が、作る場所の都市化ともつながる点である。東京の銀座や大阪の梅田など、ビルの屋上で蜂を飼い、街の花から蜜を採る取り組みはすでに各地にある。都市で採れる蜂蜜は量が少なく、大量流通には向かない。しかし「この街で採れた」という物語は、専門店の棚でいちばん映える。

横浜は港町で、公園や街路樹が多い。地元の蜜を使った限定品を企画しやすい土地でもある。専門店が都市養蜂の出口になる可能性は十分にある。

高い賃料と季節の波を、どう乗り越えるか

一方で、大型施設の賃料は軽くない。単価の高い商品を少量ずつ売る蜂蜜店は、客数が読めないと採算が崩れる。来店のピークも、年末の贈答期と夏の中元期に偏りやすい。通年で売る仕組みが要る。

たとえば、料理用や飲料用の小容量品、季節のセット品、法人向けの記念品などで売上の谷を埋める方法がある。さらに、試食時の衛生管理、アレルギー表示、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えない注意の周知も欠かせない。店が増えるほど、こうした地味な運営の質が差になる。

ビジネスへの影響

小規模な蜂蜜事業者は、売り場より先に物語を整える

専門店が出店を重ねると、棚に載る蜂蜜の基準も上がる。採蜜地、採蜜時期、花の種類、加熱の有無を一枚の資料にまとめておくと、取引の話が早く進む。

数量が少ない事業者ほど、完売を前提にした限定品として売るほうが有利だ。通年で安定供給できない弱みを、希少性という強みに変えられる。写真や動画で巣箱の現場を見せる工夫も、価格の説明になる。

出店や取引を検討する企業が見るべき三つの数字

商業施設への出店を考えるなら、次の三つを先に試算したい。一つ目は、客単価と購入率の見込みである。二つ目は、贈答期とそれ以外の月の売上差である。三つ目は、賃料と人件費を含めた損益分岐点だ。

蜂蜜は賞味期限が長く、在庫を持ちやすい。この点は飲食店と違う利点である。ただし、棚の回転が遅い期間が続くと、仕入れ資金が寝てしまう。売れ筋の三割に在庫を厚くし、残りは少量で回す運用が現実的だ。

法人にとっては、記念品や取引先への贈答品としての活用余地もある。地域の蜜を使った名入れ品は、会社の姿勢を伝える小さな広告にもなる。

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